ふること

多分、古典文学について語ります

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

帝の不思議な覗き趣味@うつほ物語

しばらく宇津保物語の話が続いています。 読んでてちょっと目が点になったのが、朱雀帝とか朱雀院と呼ばれるみかどの変な妄想癖。 覗き趣味的妄想癖 とでも言いましょうか。 「内侍のかみ」という巻は朱雀帝(在位中)を中心に話が進むのですが、まずはのっけ…

うつぼ物語の主要人物関係図

うつぼ物語人物関係図整理がてら系図を作っていたら、文字だらけで見づらくなった…ちなみに系図はgoogleスプレッドシートで作りました(笑)

うつほ物語の超下ネタ集

うつほ物語(宇津保物語)でびっくりしたのは、貴人や女性も下ネタを平気で口にすること。全員が全員ぽんぽん言うわけでもないですが… 主人公仲忠の父、藤原兼雅は、除目で昇進できなかった時に、妻や子に文句たらたらいう中で、源正頼は娘の仁寿殿女御や東宮…

元祖イクメンな、うつほ物語主人公仲忠さん

うつほ物語(宇津保物語)の話、第三弾。 うつほ物語は、すごく大雑把に言って、藤原仲忠を主人公とする話と、源正頼の女のあて宮の話との2つの流れがあります。あて宮の話はちらちらと述べたように、絶世の美女である彼女への恋に多くの求婚者たちが身を焦が…

うつほ物語(宇津保物語)の強い女たち:夫婦喧嘩と東宮争い

宇津保物語の女達は妙に強い、という話のつづき。 女達…といっても、特に強いのは、源正頼という登場人物の娘たちなんですが… たとえば、気に入らないことがあると実家に帰って、夫が懇願しても戻って来ない。ヒロインのあて宮も夫の東宮に対して散々にそれ…

うつほ物語(宇津保物語)の、おそろしい東宮妃たち

さて、ジャパンナレッジでだらだら古典文学を読んでいて、何度か挫折してた「うつほ物語」にチャレンジしています。 この「うつほ物語」、最初の「俊蔭」を読んで「ああこういう伝奇的な話なのね」と思ってると大間違い。ひとつの物語なのに作風がバラバラ(…

月に日に異(け)に~~万葉集のリズムが好きです

万葉集って、王朝時代以降に比べて野趣に富むリズム感があるように思います。そう感じるのも、ある意味現代的な感覚なのかも知れないけれど。 最近いいなと思ったのは、万葉集698 大伴宿禰像見の歌 春日野に朝居る雲のしくしくに 我(あ)は恋増さる月に日に異…

万葉集・大伴宿禰家持、交遊(とも)と別るる歌三首

ときどき、この前買った万葉集の文庫本をぱらぱら見ています。それで目についた歌など。 万葉集巻四(相聞)、大伴宿禰家持、交遊(とも)と別るる歌三首 けだしくも人の中言聞(きこ)せかも ここだく待てど君が来まさぬ(680) おそらく、人の中傷をお聞きにな…

よりを戻した夕霧夫婦と、別れてしまった髭黒夫婦と。

髭黒夫婦と夕霧夫婦の決定的な違い:結局よりを戻したということ 雲居雁と髭黒北の方のシチュエーションが似ている…という話をしたのですが、一方で、髭黒北の方は夫と完全に離婚してしまい、雲居雁は結局よりを戻した…というところが決定的に違うわけです。…

髭黒大将の北の方と雲居雁の類似

紫の上のことをあれこれ考えていて、女三宮降嫁後の彼女の失望はどこまでが愛情ゆえでどこまでがプライドゆえのものだったのだろうとか、体面とかプライドとか矜持とか、そういうものを「愛情問題」とは別に扱うとしたら、まずは平安貴族にとっての体面がど…