ふること

多分、古典文学について語ります

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「有明の月」中世王朝物語・男女逆転ヒロインの覗き趣味とは一体

Twitterで呟いたり何だりしてたことなんですが。有名な男女逆転物語である「とりかへばや」物語を、最近ようやくまともに読み直してみたら、意外なほど面白かった…というのをきっかけに、古典文学から現代に至るまで、日本文化で一ジャンルとして確立してい…

なんか帝の後宮ってユルくない?と思った話。

「後宮」っていうと。 中国の後宮なんかは、男子禁制で宦官しかいないわけじゃないですか。 日本でも、将軍の後宮、つまり大奥は女人しかいませんよね。 そういうのって、やはり「後宮の女性の浮気対策」「王、皇帝、将軍などの、後宮のあるじの子ではない子…

なんで光源氏は朝顔に「過去の肉体関係」を仄めかし続けるのか?!

源氏物語を読んでいて、いまだに不思議で仕方がないことの一つが、光源氏と朝顔斎院の関係。彼らの馴れ初めはそもそも直接的には語られていません。 初出は「帚木」の巻で空蝉が住む邸(紀伊守の邸)で女房たちが光源氏の噂話をしていた時に、「式部卿宮の姫…

夫に新しい妻ができた時@源氏物語

源氏物語の中には、こういうシチュエーションは何度か出てくるわけですが、女君それぞれで取る態度が結構違います。 以下、軽く並べて見ていきます。 ---------- 弘徽殿の女御 ライバル:桐壺更衣(身分下)、藤壺宮(身分上)など 相手が帝なので状況が特殊…

落窪物語にびっくりした話

落窪物語というと、ひどい継子いじめに合っている姫君が、恋人になった貴公子に助け出されて妻になり、ハッピーエンド…というシンデレラストーリーで、マンガになったり小説化もされているし、わりあい古典の中ではメジャーな方に属する物語かな?と思います…

藤壺宮は源氏の「理想の女」ではないのか?

承前。 「素直で自分の言うことには従い、ひかえめで、自分の思うように仕立て上げられる女」という一面での源氏の理想は、源氏の理想の女性であるはずの藤壺宮のキャライメ―ジとはいささか異なっているように思います。 藤壺の性格については、たとえば「帚…

光源氏が語る「理想の女」は「自分に素直に従い、思い通りになる女」

光源氏の女の趣味というと。父のきさきである藤壺宮への道ならぬ恋から、藤壺の姪にあたり、面影が似ている若紫をさらってきて自分の思い通りに育てて妻にした…というあたりを中心に語られることが多いのですが。 そういう源氏くんの女の趣味について、「夕…

光源氏はロリコンではない。ただ病的にナルシストなだけだ。

中学生だか高校生だかぐらいのとき。 川原泉のマンガだったかな。古典の授業で「源氏物語」を学んだ主人公とその友人たちが、光源氏を「年端のいかない女の子を誘拐した挙句、今でいえば中学2年生の女の子を無理やり襲った犯罪者」みたいなレポートを書いて…

古典文学に読みふけっている件

コロナ禍も関連しているのか、今年は何だかやたらと本が読みたくなることが多く、ジャパン・ナレッジに入会してみてウェブで古典文学などを読み漁るようになった。 その感想をFacebookに書きつつ「古典ブログでも作ろうか」と誘い受けなことをつぶやいてみた…